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【岩井事務所だより】5月号「法人の税務トラブルQ&A(役員給与関係)」

2022/05/23
【岩井事務所だより】5月号「法人の税務トラブルQ&A(役員給与関係)」
 岩井事務所だより5月号は「法人の税務トラブルQ&A(役員給与関係)」です。

 最近身近になってきた税務トラブルでは、新型コロナウイルス感染症に伴う業績の悪化などによる企業の役員給与に関するものも増えているようです。

 そこで、役員給与関係で重要性の高いと思われるものを以下、取り上げてそのポイントを整理してみます。


1.役員給与の取り扱い

Q1 定期同額給与について、役員2 人のうち1人は支給し、もう1 人は支給しなかった場合、どうなりますか。

A1 役員給与については、原則として事業年度を通じて毎月の支給額が同額である定期同額給与であれ、支給時期や支給額を事前に届け出る事前確定届出給与であれ、事前に確定していること、その額が実際に支給されていることが必要です。そして、この額は各役員別に具体的に確定していることが前提となっています。

 従って、支給しなかった役員分についてのみ損金不算入となります。


Q2 Q1の前提が事前確定届出給与の場合で、1 人分は支給しなかったときは、支給した人の分は損金に算入されますか。
A2 Q1の回答と同様に役員については各人別に委任関係があり、債務が確定しているとの立場から支給した役員分については他の役員と関係なく損金とされます。

Q3 役員に対して、上期の事前確定届出給与200 万円は支給したが、下期分は資金繰りの都合で200 万円に対して100 万円のみ支給した場合に上期分も損金不算入となりますか。
A3 損金の判断は、事業年度を単位として判断することになりますから、下期分はもちろん、上期分も損金不算入になります。

Q4 定期同額給与について、当社は観光業のため新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けており、営業時間の短縮や従業員の出勤調整をしているところです。未だ見通しの立たない中で特に従業員の雇用や給与を維持するためには、役員給与の減額をするしか方法がなく全役員半額にすることを検討しています。税務上認められますか。
A4 法人税の取扱いでは、年度の中途で役員給与を減額した場合、原則として定期同額給与に該当せず、損金算入が認められません。

 しかし、貴社の場合は、新型コロナウイルス感染症に基づくことが明らかなので業績悪化改定事由による改定と考えられます。従って、改定前に定額で支給した役員給与と改定後に定額で支給する役員給与は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入されます(令和2 年4 月国税庁の新型コロナウイルス感染症拡大防止ヘの対応FAQ 参照)。


2.役員への見舞金等

Q 自動車運転教習所を営む法人ですが、会社の役員及び従業員全員を対象とした傷害特約付の生命保険に加入しています。

 当期のうち70 日間D 取締役が病気で入院する予定で、保険金は1 日5 千円で合計35 万円になります。社内規定では、その保険金を見舞金として、入院者に支払うこととされています。見舞金を全額福利厚生費として問題ありませんか。

A 役員に支払う35 万円のうち、社会通念上の見舞金として相当とされる部分の金額は福利厚生費として損金に算入できますが、それ以外の部分は役員賞与となり、損金算入にはなりません。

 役員給与については、事前確定しているものを除き損金不算入の考え方が法人税であり、ここでの給与には、債務の免除その他の経済的な利益を含むものとされています。

 具体的には、次に掲げるようなものが入ります。

① 法人が役員等を被保険者及び保険金受取人とする生命保険契約を締結してその保険料の額の全部又は一部を負担した場合におけるその負担した保険料の額に相当する金額

② 役員等に対して物品その他の資産を贈与した場合におけるその資産の価額に相当する金額

③ 役員等に対して所有資産を低い価額で譲渡した場合におけるその資産の価額と譲渡価額との差額に相当する金額

④ 役員等から高い価額で資産を買い入れた場合におけるその資産の価額と買入価額との差額に相当する金額

⑤ 役員等に対して有する債権を放棄し又は免除した場合におけるその放棄し又は免除した債権の額に相当する金額

⑥ 役員等から債務を無償で引き受けた場合におけるその引き受けた債務の額に相当する金額

⑦ 役員等に対してその居住の用に供する土地又は家屋を無償又は低い価額で提供した場合における通常取得すべき賃貸料の額と実際徴収した賃貸料の額との差額に相当する金額

⑧ 役員等に対して金銭を無償又は通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際に徴収した利息の額との差額に相当する金額

⑨ 役員等に対して無償又は低い対価で⑦及び⑧に掲げるもの以外の用役の提供をした場合における通常その用役の対価として収入すべき金額と実際に収入した対価の額との差額に相当する金額

⑩ 役員等に対して機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないもの

⑪ 役員等のために個人的費用を負担した場合におけるその費用の額に相当する金額

⑫ 役員等が社交団体等の会員となるため又は会員となっているために要するその社交団体の入会金、経常会費その他その社交団体の運営のために要する費用でその役員等の負担すべきものを法人が負担した場合におけるその負担した費用の額に相当する金額

 なお、今回の質問に関しては、国税不服審判所で同内容に類似する裁決として、見舞金等の福利厚生費の規定がある会社を調査し、入院1 回当たり5 万円が社会通念上相当である金額の上限だとしたものがあり、同様に考えると30 万円は役員賞与とする判断になります。


3 罰科金の処理
Q 役員及び従業員が行った次の交通反則金について負担しています。
① E 役員……積載物重量制限超過(6 割超過) 反則金4 万円
② F 役員……業務外の駐車違反 反則金1 万8 千円
③ G 従業員…業務外のスピード違反 反則金3 万5 千円

 前記の場合、個々の税務上の取扱いは、どうなりますか。

A ①の場合は、業務の遂行上の行為によるものであるので、その支払った金額は役員の給与とはされず、通常は租税公課等で経理処理されたのち、損金不算入として別表で加算されます。

 ②の場合は、役員の業務外の行為について、これを負担した場合には役員に対する臨時的な給与となり、事前確定届出給与に該当しないため、役員賞与の損金不算入になります。

 ③の場合は、従業員の業務外の行為について、これを会社が負担した場合には、従業員に対する賞与となり損金に算入はされますが、給与所得として課税されますので、源泉所得税の精算が必要になります。この点は②も同様です。

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