民泊新法とされる「住宅宿泊事業法」が6月9日、参議院本会議で賛成多数により可決・成立しました。
訪日外国人観光客等を自宅等に宿泊させ宿泊料を得る民泊サービスは、大阪府と大阪市、東京都大田区の3自治体が、国家戦略特区に基づく民泊条例による認定を受けて既に活用されています。
民泊特区以外では、旅館業法の簡易宿泊所の免許を取得するしかなく、公衆衛生や住民等とのトラブル防止、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応が急務となっていました。
民泊新法と呼ばれる「住宅宿泊事業法」の制定により、年間提供日数の上限は180日となっていますが、各自治体が地域の実情を反映して日数制限条例で対応できるようにされています。
民泊新法については、住宅宿泊事業に係る届出制度、住宅宿泊管理業に係る登録制度、住宅宿泊仲介業に係る登録制度の創設等を主な内容としています。
ここで問題となるのは、民泊新法により住宅等を民泊に使用している家屋については「居住の用に供するものではない」などとして、民泊に利用された土地等の部分は住宅用地に係る固定資産税の減額特例が適用できないことが想定されます。
最近は投資目的として民泊営業される事案が増えてきていますが、減額特例が適用できない場合は固定資産税が最大6倍になりますので、それを加味して投資計画を立てる必要があります。
また、国税庁は今回の届出・登録データを元に税務申告を分析・検討すると表明していますので、民泊関連の申告漏れにも注意が必要です。
政府与党は8日、平成29年度の税制改正大綱を決定しました。
主な内容は以下の通りです。
・消費税10%は平成31年10月から。
・配偶者控除の年収要件を「150万円以下」へ引き上げ。ただし、年収1120万円超の世帯主に所得制限。
・ビール類の税率を平成38年10月に全て統一。
・エコカー減税を2年延長。ただし、燃費基準を厳しくして現在の新車の9割から段階的に7割へ絞り込み。
・高さ60メートル超のマンションを対象に固定資産税を高層階は増税、低層階は減税。1階と40階で10%差。
・NISAに非課税期間20年、投資額上限年40万円とする長期積立枠を新設。
・2%以上賃上げした中小企業には給与総額増加分の22%を減税。
・日本企業が海外に設けたペーパー会社の所得に日本の税率を適用。
・現在は相続人と被相続人が海外に5年超住んでいれば海外財産に相続税がかからないが、それを10年超に改正。
ほとんどがすでにブログでお伝えした通りの内容で、大きな変更点はありません。
「夫婦控除」などの女性の働き方改革は今後の課題という形になりました。
自民、公明両党は2日、与党税制協議会を開き、配偶者控除の見直しで一致しました。
減税になる配偶者の年収要件を現行の「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げ、150万円を超えても「201万円以下」までは控除の一部を受けられる仕組みを導入するとのことです。
一方、世帯主の年収が1120万円までの世帯は控除を38万円とした上で、1120万円を超えると26万円、1170万円超は13万円と段階的に控除額を減らし、1220万円超でゼロにするにすることによって、財源を確保します。
また、ビール類の酒税は10年後の平成38年10月に一本化することで決着しました。
今回の会合で配偶者控除の件はほぼ決着となりました。
「夫婦控除」などの紆余曲折がありましたが、結局は配偶者控除の年収要件の引き上げという安易な方法を取りましたので、女性の社会進出や労働力の確保という本当の意味での問題解決には至っていません。
税以外の分野でも今後の対策が必要かと思われます。
政府・与党は24日、平成29年度税制改正の焦点となっている所得税の配偶者控除の見直しについて、控除対象となる配偶者の年収上限を現在の「103万円」から「150万円」に引き上げる方向で最終調整に入りました。
ただ、年収が150万円を超えても、世帯の手取りが急に減らないよう、年収201万円までは控除額を段階的に縮小する配偶者特別控除も併せて導入するとのことです。
また、対象世帯の拡大による税収減を防ぐため、世帯主の所得が900万円(年収1120万円)を超えた場合は制度の対象外とする方針です。
配偶者控除もようやく本決まりになりそうです。
150万円の配偶者控除と201万円の配偶者特別控除の改正で、税務上のパート勤務の壁は解消できるかと思います。
この他にパート勤務の壁として残されているのは、企業の配偶者手当と社会保険の適用要件130万円(大企業は106万円)です。
これらを解決しないことには、パートの勤労意欲を刺激することはなかなか難しいです。
政府税制調査会は14日、配偶者控除の見直しを中心とする所得税改革の中間報告をまとめました。
主にパートの主婦の就労を促進するため、妻の年収要件を現行の103万円以下から引き上げる案を初めて明記し、平成29年度税制改正はこの案を基に制度設計を詰める方針です。
今後、与党は配偶者控除見直しの議論で、妻の年収要件を150万円以下に引き上げる案を軸に調整を進めます。
また、対象を絞るために夫の合計所得金額が1000万円(年収換算で1220万円)超の世帯への控除適用を制限する案も検討するようです。
ほぼ原案どおりで中間報告はまとめられました。
配偶者控除の妻の年収要件は150万円案が有力のようです。
このほかに、130万円案も候補に挙がっています。
結局、年収要件の落としどころがどこになるのかが気になるところです。
政府税制調査会の中間報告原案が7日判明しました。
配偶者控除の見直しで、配偶者の年収要件を現行の103万円以下から引き上げる拡充案を初めて明記しました。
同時に「税収中立の堅持」を掲げ、世帯主を対象にした所得制限を導入して適用世帯が広がりすぎないようにすることで、税収減を避ける必要性も強調しています。
今回の中間案で、「夫婦控除」への転換は財源確保の問題があるとして否定されていますので、採用されることはなさそうです。
目新しい内容としては、配偶者控除の見直しと合わせて、企業の配偶者手当も抜本的に見直すようにと訴えていることです。
税務上は、配偶者控除の他に、配偶者特別控除がありますので、収入と手取りの逆転現象は解消されています。
しかしながら、実際上は、配偶者控除が適用されなくなると企業の配偶者手当も打ち切られることが多いので、上記の問題が解決していませんでした。
今回の言及によってこの問題が解決するかもしれません。
平成29年度税制改正で焦点となる所得税の抜本的な改革について、政府・与党が先送りする検討に入ったことが5日、分かりました。
「配偶者控除」の見直しでは、当初、有力とされた妻の収入を問わず適用する「夫婦控除」に踏み込まず、現行制度の適用対象を見直す方向で調整するようです。
安倍晋三首相が衆院解散・総選挙に踏み切るとの観測が浮上する中、増税世帯が多くなる改革への慎重論が与党内で強まっていることを踏まえた対応です。
消費税10%引き上げのときもそうでしたが、選挙のたびに増税案が先送りになります。
今回はさらに配偶者控除の適用拡大という減税案まで検討しているようですが、財源の見通しは立っているのでしょうか。
政府は30日、見直し議論を進めている配偶者控除の適用対象を平成29年度改正で拡大する方向で検討に入りました。
「103万円」以下としている配偶者の年収要件を「150万円」まで引き上げ、働く女性を後押しする方向です。
税収減を抑えるため、高所得者らへの増税で財源を賄うことを検討しています。
配偶者控除を廃止したうえで働き方を問わず適用される「夫婦控除」を創設する案は、当面見送るとのことです。
先日まで配偶者控除については「廃止」が検討されていたにもかかわらず、真逆の「拡大」で驚きました。
結局のところ、不足する財源は所得税の税率引き上げで補填するようです。
平成27年に所得税の最高税率が40%から45%(住民税を含めると55%)に引き上げられたばかりであるのに、再度の増税となると、富裕層、特に日本を引っ張っているビジネス・リーダーが海外へ流出する可能性があります。
節税策として最近流行っていた保険商品の中に「低解約返戻型逓増定期保険」というものがあります。
この商品の特徴は、契約開始から一定期間経過すると返戻率が格段にアップするというものです。
この返戻率が激変する直前に、法人から個人へ契約者の名義変更をすれば、個人の解約返戻金は税金の安い一時所得として計算できるため、法人から支払われる給与所得と比べて税金を大幅に抑えることができました。
しかしながら、合理性の観点から、個別事案によっては税務上否認リスクがあるとまことしやかに囁かれていました。
そのような中で、平成30年1月1日以後に行われた生命保険契約の名義変更については、保険会社が税務当局にその情報を提供することが法制化されました。
税務当局が「低解約返戻型逓増定期保険」を否認しようという意図が透けて見える改正ですので、今後はこの商品を利用した節税策は難しくなると考えられます。
政府が、所得税の基礎控除について、高所得者ほど減税の効果が大きいとして見直しを検討していることが13日に分かりました。
基礎控除とは、誰でも所得税の計算で所得から差し引かれる38万円の控除のことです。
今のところ、高所得者でも低所得者でも減税の効果が変わらない税額控除とする案と、高所得者は所得制限を設ける案が浮上しています。
先日は、専業主婦優遇と言われる配偶者控除を廃止して、全ての夫婦世帯に適用する夫婦控除への見直しが議論されていました。
この基礎控除と配偶者控除の両者の見直しが、平成29年度税制改正に盛り込まれることになりそうです。
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